top of page
TOP
理事長挨拶
日本眼炎症学会理事長
蕪城 俊克
2025年7月
TOPへ戻る
私自身は、大学院時代に東京大学分子予防医学教室の松島剛治教授のもと、ケモカインの研究に従事いたしました。松島先生の「炎症を理解すれば、ほとんどの病気が見えてくる」という教えは、今も私の根幹にあります。眼炎症学は、「炎症」という共通言語をもって、眼科の中でも他領域・他科との架け橋となりうる学問であると信じています。
学会運営においては、前理事長・園田先生が設立された4つのワーキンググループ(臨床研究、国際化、広報・教育、診療ガイドライン)を引き継ぎつつ、新たに「ダイバーシティ推進ワーキンググループを立ち上げ、性別やキャリアの垣根を超えて、すべての会員が参画しやすい学会を目指します。また、眼内液のオミックス解析や機械学習などの先進的解析方法を用いた学会主導研究、最新の免疫療法やバイオ医薬品の導入に向けた取り組みを推進したいと考えています。さらに、学会員の皆様の協力を得て、全国規模の疫学調査や画像データベースの整備、そして次世代研究者の育成に取り組んでまいります。
会員の皆様とともに、学会をより開かれた、活力ある組織へと進化させてまいりたいと存じます。引き続き、皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

このたび、園田康平先生の後任として、2025年7月より日本眼炎症学会の理事長を拝命いたしました。諸先輩方のご尽力によって築かれた本学会の伝統を受け継ぎつつ、さらに次代の学術的発展に貢献すべく、全力を尽くす所存です。
日本眼炎症学会は、Vogt-小柳-原田病や急性網膜壊死など、世界に誇る眼炎症疾患の研究を推進してきた杉浦清治先生、浦山晃先生らの情熱のもと、1976年に秋田の地で「第1回日本ぶどう膜炎研究会」として産声を上げました。それから約半世紀、分子免疫学、画像解析、バイオマーカー解析、そして国際共同研究の波を取り込みながら、わが国の眼炎症研究は今、かつてない広がりと深まりを見せています。
ぶどう膜炎は、自己免疫、感染、腫瘍といった多彩な背景をもち、民族・年齢・性別によってその発症様式は大きく異なります。近年は高齢化の進行に伴い、感染性ぶどう膜炎や腫瘍性ぶどう膜炎の重要性が増しており、疾患構造は着実に変化しています。こうした変容をいち早くとらえ、新たな診断・治療技術を実臨床に還元していくことが求められています。
bottom of page